移転価格にとっての2018年3月31日

3月決算法人はもうすぐ年度末ですね。

年度末に向けて営業の方は最後の追い込みの真っ最中ではないかと思います。

経理も決算に向けて準備を進めていることと思います。

さて、決算に向けての準備というところでは、税務担当者も忙しい日が続いていると思いますが、この3月末は特に移転価格担当者にとっては大きなイベントが待ち構えています。

 

それは、3月決算法人は、マスターファイル(事業概況報告事項)とCbCR(国別報告事項)の最初の提出期限を迎えるからです。

平成28年の税制改正で、移転価格文書化制度に関する改正が明らかになりました。

www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf

OECDがBEPS行動計画13の最終報告を提出したのが2014年でした。大手日系企業の一部はすでにその頃から対応を検討していましたので、3年越しの対応をしていたことになります。

 

実際は、日本よりも早く、インドネシアが2016年12月31日付で財務省規定第213号(PMK-213)を定め、期末以降、4か月内に移転価格文 書を準備しなければならないこととしましたので、日系企業インドネシアに子会社を有するグループは2017年7月にはマスターファイルを作成しておく必要がありました。

インドネシアに子会社を有する日系企業は多くありますので、その時に作りこんだ企業は、データのアップデートのみで対応できているのかもしれませんね。

 

すでにe-Taxで送信まで終わらせた担当者もいらっしゃるかと思いますが、こののち、情報交換規定に基づき、マスターファイル・CbCRは各国税務当局と情報共有されることになります。そして、各国の税務当局はこれらの文書に基づき海外子会社の税務調査を行う可能性があります。

そういう意味では、グローバルの税務管理は第2フェーズに入ったと言えます。グローバルで税務をどうコントロールしていくか、それは文書を作成するよりも大きな課題ではないでしょうか。